2018/04/14

【ある問題児の事例から考える、リーダーの覚悟とは?】
あるリーダーから以下のような相談を受けました。
それはある問題児の取り扱いについてです。
【ある問題児の事例】
その会社は、非常に小規模の会社です。
社内になかなか代わりの人がおらず、一人でも社員が病欠などをすると、たちまち会社の業務が滞ってしまうような状況です。その場合は、リーダーが現場に入るなどして、乗り切っています。
またその会社は地方の小さな町にあり、人の採用にも苦労をしています。
業績は悪くはないのですが、会社を運営していくことに、非常に苦労をしています。
そのような規模の会社に、一人の問題児が働いています。
その問題児の傾向を、簡単にまとめますと以下のような内容です。
・非常に仕事は早く、出来栄えも素晴らしい
・遅刻や欠勤など全くなく、仕事自体には非常に真面目に取り組んでいる
その一方
・他の社員のミスを許すことが出来ず、ミスがあったら怒鳴る
・自分の意見を曲げない
・仕事中に声をかけても返事もしない
・全く笑顔がない
その問題児に対して、周りの社員はトップも含めて以下のようになりました。
・腫れ物に触るように、その問題児に接するようになった
・その問題児に、誰も何も言えなくなった
それに対して、リーダーが考え、実行したことは以下のことでした。
・問題児個人の問題とせず、組織全体の問題として捉えるようにした
・リーダー自ら、朝礼や終礼時に、コミュニケーションの大切さについて、本、また偉人の名言や格言などから引用し、従業員に話しをするようにした
・組織全体のコミュニケーションを活性化するために、定期的な研修を行うようにした
そうすると、以下のような気付きや変化が生まれてきました。
・問題児も話しは真面目に聞いて、発言内容もそれなりに前向きなことを言うようになった
・周りの社員も、コミュニケーションの大切さを意識するような発言が増えた
しかし、その後も問題児の仕事振りは何の変化もありませんでした。現場から以下のような声が、継続してあがってきています。
・問題児に怒鳴られた
・問題児に何を言っても、反応がない、返事もしない
さて、このような問題児にはどのように接したら良いのでしょうか。
あなただったら、どう考え、行動しますでしょうか。
一緒に考えてみましょう。
【個人の問題としてアプローチ】
私はまずこのリーダーが、問題児と個別に向き合っていないことに、問題を感じました。
リーダーは、問題児の問題を組織の問題として捉え、組織全体にアプローチをしていきました。
しかし、問題児の問題は、問題児個人の問題なのです。
その問題児個人の問題は、問題児個人に気付いてもらうしかありません。
まずは、問題児個人にアプローチをしていく必要があります。
【リーダーに必要な部下との個別面談】
そして、このリーダーは、問題児だけでなくその他の部下とも、定期的な個別の面談を行っておりませんでした。
リーダーご自身もプレイングマネージャーとして、忙しく飛び回っているので、なかなか時間が取れないのも分かります。
しかし、やはりリーダーであれば、月に1回は部下と個別面談を行い、部下と問題や課題等の共有を行う必要があります。
それが部下育成につながっていきます。
今回は、個別面談の細かな手法には触れませんが、これはリーダーとして絶対に必要なことです。
リーダーは必ず実行しましょう。
【組織の問題として捉えるとき】
そして、問題児個人に向き合って改善に取り組んでも、それでも改善できなければ、ここで組織の問題として捉えて対応策を考えます。
ここでは組織全体が円滑に回っていくことを優先して考えます。
ですので、例えば問題児には別の仕事を与えたり、異動させたり、また最悪の場合は、別の道を本人に考えてもらったりなど、ドラスティックな方法になってきます。
【必要なリーダーの覚悟】
更にこのリーダーは、覚悟が弱いです。
問題児も貴重な戦力で、退職されたら困るのはよく分かりますが、そのことが足かせとなって、問題児に言いたいことも言えていません。
問題児一人辞めたとしても何とかしてやる、という強い覚悟を持てば、何でも言えるし、何でも出来ます。
リーダーの責任は重いですが、その分の覚悟が必要です。
もし問題児が退職したとしても、覚悟を持って仕事に取り組んでいれば、他の部下が必ず助けてくれます。
そして必ず事態は好転します。
それもリーダーの覚悟次第なのです。
【おわりに】
さて皆さんは、この問題児にどのような対応を考えられましたか。
他人事として捉えず、今回の事例を自分事として考えて疑似体験していただけたら幸いです。
リーダーの皆さん、色々と大変ですが、一緒に頑張っていきましょう!