「働く」ことを考える課

「働く」ことに悩んでいる人たちに、少しでも勇気や元気を持ってもらえるように、「働く」ことを前向きに、そして色々な視点で考えていきます。

リニア談合事件から、公共事業の問題について考える

time 2017/12/21

リニア談合事件から、公共事業の問題について考える

【リニア談合事件から、公共事業の問題について考える】

 

 

リニア中央新幹線の工事をめぐる入札談合事件で、大手ゼネコン4社が捜索を受けています。

巨大プロジェクトは、大手ゼネコン4社で受注調整が行われていたようです。

談合は昔、必要悪として当たり前のように行われていたようですが、コンプライアンスが重視される今でも、継続して行われているんですね。

 

今回はJRという民間企業の事業での談合事件ですが、談合はよく公共事業で問題になります。

 そして今回は、談合がよく起きる公共事業の問題について考えていきます。

 

談合文化 日本を支えてきたもの (祥伝社黄金文庫)

 

 

【受託業者決定方法別による問題】

 

公共事業で受託業者を決定するには、主に一般競争入札とプロポーザル方式の2種類の方法があります。

そのそれぞれの、方法別で問題を考えてみましょう。

 

【一般競争入札での問題】

一般競争入札は、入札に参加した業者の中で、一番安い金額を入札した業者が仕事を落札します。

つまり、金額だけで判断される業者の選択方法です。

いくら高い技術があっても、質の高い仕事をする会社でも、金額が安くなければ仕事は取れません。

逆に低い技術しかなくても、質の低い仕事しか出来ない会社でも、金額が安ければ仕事を取れます。

公平といえば公平です。

安く仕事を受注するのは、企業努力かも知れません。

しかしここで感じる問題点は、安く仕事を受けたときに、そのしわ寄せがくる、そこで働く人たちの賃金です。

「官製ワーキングプア」という言葉が生まれました。

これは公的事業の委託料があまりに安いため、その事業で働く人たちの賃金もあまりに安く設定されていることや、官公庁で働く臨時職員・非常勤職員の賃金が安いことから、国や自治体がワーキングプアを作り出している、という問題を指します。

仕事を受注したいという気持ちは分かりますが、一生懸命働く従業員の賃金をギリギリまで下げて仕事を取るのはどうかと考えます。

仕事を取るために従業員の賃金を下げる、という考え方自体に問題を感じます。

皆さんは、どのようにお考えですか。

 

官製ワーキングプア―自治体の非正規雇用と民間委託

官製ワーキングプアを生んだ公共サービス「改革」

 

 

【プロポーザル方式での問題】

プロポーザル方式は、決まった予算の中で参加業者各社が企画提案を行い、その提案内容を審査員が評価し、一番点数が高い業者が仕事を受注します。

ですので、専門性の高い業者が仕事を受注し、より質の高い仕事につながっていきやすいと言えます。

実際にプロポーザル方式で行われる事業は、民間企業の色々な知恵やアイデアが活かされていると感じます。

しかしこの方式で問題と感じるのは、発注側の行政の担当者に専門性が無いことです。

中には仕様書すら作れない担当者もいます。

そこで行政から頼られるのは、専門性を持つ特定の民間企業です。

公募される前から、特定の業者に水面下で事業内容の相談をし、参考見積をもらって、予算化しています。

このようなことは、一般的に行われていることです。

しかしこれは公募前に、行政と特定の業者とが接触しているということで、特定の業者に事前に情報が流れています。

厳密にみると、公平性に問題があるという見方も出来ます。

しかし、行政側に専門性がない以上、専門性のある業者に相談しないと、事業化することは出来ません。

公共事業は、グレーな部分はグレーで置いておかないと、事業化できないということです。

談合とまではいかなくても、それに近い状況のようにも感じます。

このことについて、皆さんはどのようにお考えですか。

 

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【年度での契約による問題】

公共事業は、年度ごとに予算化されています。

ですので、公共事業で働く人たちも、年度ごとに雇用されています。

つまり年度末には、来年度の自分の雇用について、心配をしなければなりません。

 

例えばハローワークなど就労支援をする事業で働く人たちは、一生懸命求職者の仕事のお世話をしています。

しかし人の仕事の世話をしながら、実は来年度の自分の仕事の不安を抱えているのです。

自分の仕事自体が心配なのに、人の仕事を十分にお世話できるのでしょうか。

人はある程度、自分が満たされた状態でなければ、他人のお世話は出来ません。

この契約形態に大きな矛盾を感じますし、公共サービスの低下を懸念します。

 

また年度ごとの雇用の人たちには、十分な研修の機会も与えられていません。

ですので、自分のスキルを高めようと、自分で勉強している人たちが多いのです。

本当に涙ぐましい努力を感じます。

しかし雇用は、年度内しか保証されないのです。

 

この公共事業の契約形態には、大きな問題を感じます。

 

同一価値労働同一賃金をめざす職務評価 官製ワーキングプアの解消

 

 

 【おわりに】

本当に、公共事業については、多くの矛盾を感じます。

このように色々な問題を感じる公共事業では、談合も実は必要なことなのではないかとも感じます。

談合そのものを罰するというよりは、談合をしてしまうその背景にある問題を解決しなければ、本質的な問題解決にはならないでしょう。

しかし残念ながら、私たちの力ではどうしようもない問題でもあります。

 

公共事業を受ける場合は、色々な問題があることを前提に、その問題を理解したうえでリスクを考え、少なくても従業員へのしわ寄せは最低限に抑えるように、仕事を受けていきましょう。

 

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